歯並びが悪いと、様々な問題が引き起こされることがあります。その中でも特に注意したいのが、虫歯や歯周病の発生です。
デコボコした歯並びでは、歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなったり、歯ブラシの毛先が届きにくく汚れが残ってしまいがちになります。
歯に汚れが残っていると、食べカスに含まれている糖質をエサにプラークが作り出されます。プラークは細菌の塊で、虫歯のリスクを高めたり、歯周病を引き起こします。虫歯や歯周病は酷くなると、最悪の場合歯を失ってしまいます。
プラークは普段からのブラッシングで除去することが可能です。そして、ブラッシング不足を防ぐためにも、良い歯並びを保つことが口腔内の健康を維持するために重要となります。
歯並びや噛み合わせが良くない状態のことを不正咬合といいます。
不正咬合によるデメリットは見た目だけの問題ではありません。歯並びが悪いことで磨き残しが増え、虫歯や歯周病になりやすくなります。
また、歯並びや噛み合わせが悪いと歯や顎関節への負担が増加し、顎関節症へと発展していきます。顎関節症は、口を開こうとすると「顎が痛む(顎関節痛・咀嚼筋痛)」「口が開きにくい(開口障害)」「顎を動かすと音がする(顎関節雑音)」が主な症状となります。
不自然な噛み合わせは、顎周りの筋肉へも影響を及ぼします。筋肉に負担がかかり、血行が悪くなると、頭痛や肩こりを引き起こします。このように、全身的な不調も引き起こすなど、日常生活にも支障をきたす可能性があります。
加齢や病気によって口腔内の「感覚」「咀嚼」「嚥下」「唾液分泌」等の機能が複合的に低下していく症状のことを口腔機能低下症といいます。
口腔機能が低下すると食べる量が減り、堅い物を避けるため、食事の栄養バランスが崩れ、体重や筋量を維持することが困難となっていきます。その結果、免疫力が低下し病気にかかる可能性が高まります。
また、舌や口の周りの筋肉の動きが少なくなり衰えることで、活舌が悪くなり発音に影響を及ぼしたり、口呼吸を引き起こします。
口呼吸は鼻呼吸よりも細菌感染のリスクが高いため、感染症にかかりやすくなります。他にも、常に口を開いているため口腔内が乾燥し、虫歯や歯周病のリスクが高まったり、口臭の原因にもなるなど、デメリットが多く挙げられます。